月日の流れは実にはやいもので、25周年記念総会(平成9年8月)をやや背伸びして「帝国ホテル」で開催したのが、ついこの前のように思えます。
あれから9回の総会・懇親会を企画、実施してまいりましたが、大して変わったこともやっていないが、こうして地道に継続することに意味があると思う。いや、一つ進歩した企画がありました。
それは一昨年から新人歓迎会を併せて実施していることでしょう。これには新卒者への連絡など母校の全面的なご協力をいただいております。
9月9日、アルカディア市ヶ谷に、気温32度の残暑厳しい中、ご来賓、会員がぞくぞく集まって参りました。総会にさきだち「新卒者歓迎会」を12時30分から行いました。
今年は昨年の倍以上の13人が参加、池畑会長は歓迎の挨拶で、『私たちの頃とは社会状況が一変してしまい比較はできないが、こうして拝見するに、東京の人と変わるところがない。
また、態度も堂々としており頼もしい限りだ。先輩として言いたいことは、失敗を恐れるなということ、失敗は多いもの、失敗の原因を見極めて、その原因が自分にあるときは率直に反省し、その他の原因では上司、先輩などに相談して立ち直っていく。
あと一つは、本を読むようにしていただきたい。パソコンなどが発達し、その方については得意かも知れないが、失敗したときにはやはり自分の哲学なり知識が有効に働き、視界が開けてくるもので、パソコンは教えてくれない。』と二つを強調されました。
新卒者の紹介は母校の坪先生(進路指導部長)が行いました。『東京圏には進学、就職で65人来ているが、今回は13人が参加してくれました。
締めとして、見世福治副会長が、人生はいろいろあると思うが、故郷に錦を飾ることの出来るよう頑張って下さいと激励されました。
斎藤和敏(45年度農土卒)さんの司会により総会が始まりました。
升舘広美理事長が開会の言葉を述べ、この一年間の物故者に黙祷をささげ、校歌を斉唱し議事に入りました。
18年度事業報告と決算報告、会計監査報告、満場一致により承認、また、役員改選では会長、池畑守留任、副会長の見世福治が勇退(相談役に)新副会長には若手の斎藤和敏、常任理事に坂田治子(38年度商業科卒)、千葉利彦(45年度農土卒)、監事に中野渡義雄(38年度商業科卒)が承認されました。
再任された池畑会長は挨拶に立ち、「36年目に入るが母校に影響力のある会にしたいと考えている。40周年に向けて取り組むが、皆さんの一層のご協力をお願いしたい。」と述べました。
続いて19年度の事業計画と予算が説明され、満場一致で承認され、根岸副会長の閉会の挨拶で総会は滞りなく終了しました。
池畑会長は開会の挨拶で「本日はたくさんの方々が来ていただき大変うれしい。先ほどは新卒者歓迎会と総会が無事に終了したことをまずご報告する。
三農が又一つヒットを飛ばそうとしています。
それはタカラコスモスをめぐる映画化でしょう。
今日は主演の菊池香苗役のモチーフとなった三農馬術部出身の"湊華苗"さんがお見えで後ほどご紹介しますが、むしろ湊さんに主演を演じてもらいたいくらい、すばらしい女性です。是非期待してもらいたい。
それから我が会の会報が年々充実してまいりました。佐川孟三さんの連載もの「三農生の頃」は、三農にとっても歴史そのものになると思いますし、今回、根岸勲さんの寄稿された「追憶《私の歩んだ道》」小説タッチで実に感動的な場面もあり、これを読んで涙が出ない人はいないだろうと思う。
続きものですが波乱に富んだ足跡が見ものです。
今日はごゆっくりご歓談されるようお願いして挨拶とします。
予定になかったが、今度の映画の関係者が紹介ビデオを持参、見せてくださった。映画「三本木農業高校、馬術部」という題名。雄大な八甲田の峰々、三農の広々とした学園風景、盲目の馬「タカラコスモス」の出産シーンなどの映像の一部が写しだされました。この映画の宣伝を担当しておられる佐藤さんから「この映画は全編2時間ですが、ほとんど三農高校の中で撮影しており、生徒や斗沢校長先生、中野渡市長にもエキストラとして出演していただいた。三農のみならず十和田市の皆様に、ものすごくご協力をいただいている。監督は佐々部清さんで最近では日本映画のヒットメーカーとして注目されているが、その監督が自信をもって製作に当たっている。地元では20年8月、全国的には10月から東映の配給で公開されます。どうぞご期待ください。」と紹介を兼ねたお話がありました。湊華苗さんは「ご紹介のありました湊華苗です。映像は初めて見ましたが、当時の思い出が蘇って涙ぐんでしまいました。・・・」と感激のあまり声も出ないほどでした。
三農本部の佐々木敏雄同窓会長が挨拶にたち、「ただ今は実に感動的でした。われわれ関係者も喜びながら前面的に協力したい。さて、一つだけお願い申し上げ挨拶としたいが、母校の百周年記念式典を挙行したとき校長をやっていましたが、東京同窓会から大挙式典に参加していただき感激したものです。来年は百十周年であり記念行事なども計画しており、中でも全国高校馬術大会を、秋篠宮殿下をお迎えして行います。来年はにぎにぎしく目出度い年になると思いますが、ご協力のほどよろしくお願いいたします。」
続いて斗沢栄一校長先生のご挨拶を兼ね、「私も三農40年度卒業であり、校長として4年目ですが還暦を迎えました。東京同窓会からは母校の教育活動や母校の発展のためにご支援をいただき本当に感謝している。部活動とクラブ活動ではよく頑張っている。昨年、アーチェリー、相撲、馬術部の優勝があり、延べ12本の優勝旗(県大会8本、東北大会4本)、今年もアーチェリー、相撲等の活躍ですでに7本の優勝旗(県大会5本、東北大会2本)とりました。これからはラクビー、サッカーが期待できる。農業クラブ全国大会が昨年愛媛県で開催されたが、9人全員が優秀賞ということは、なかなか難しいことで、全国の農業高校から高い評価を受けている。今年は県大会が本校で開催され、6部門で優勝し広島県の全国大会に参加するため、勉強なり練習を進めている。それから来年は創立百十周年ということで、和太鼓とブラスバンド部が復活した。その楽器の購入を皆様のご協力で購入する計画だ。よろしくお願いしたい。最後に映画のことですが、私も松方弘樹さん、柳葉敏郎さんと一緒のシーンに出させていただき、びっくりしたり感動したりしている。是非この映画を見ていただければと思っている。」との報告がありました。佐々木同窓会長から補足のお話があり、斗沢校長はまもなく定年を迎えるが、全国農業高校会の副会長、と学校寮の方の会長もやっておられ、今まで青森県でなかったような業績をのこしたことが紹介され、大きな拍手でその業績を称えました。
次にPTA会長、甲田一博さんが挨拶に立ち、在校生が部活、クラブ活動で大変よい成績をあげられるのも、先輩諸氏のおかげであり感謝申し上げたい。百十周年記念行事を成功に導くため、同窓生の方々のご支援をお願いしたい。と述べました。
青森県人会、東京十和田会等の友好団体、青森県高校同窓会の東京支部関係等40名の紹介があった。母校の教職員は次のとおり。斗沢栄一校長、小笠原武則(同窓会事務局長)、坪宏至(進路指導部長)、工藤秀樹(農業土木・サッカー部監督)、佐々木多津子(生活科学)の各先生方。ご来賓を代表して東京青森県人会副会長野呂義春さんがご挨拶に立ち、『県人会は今年創立60周年を迎え、11月10日品川のグランドプリンスホテル新高輪で、記念行事「青森人(あおもりびと)の祭典」を開催するが、三農同窓会の皆様の参加をお願いしたい』と述べました。
見世福治副会長(41年度農土卒)がこのたび副会長を辞する(相談役に)ことになり賞状と記念品を会長から手渡しました。見世さんは静岡県三島市に在住で、役員会の度に東京まで通っていただき、また、活動にも熱心に取りくんでいただきました。
毎年参加者の最長老にお願いしているが、今回も佐川孟三さん(昭和13年度獣医科卒)にお願いしました。前置きで「四木先生が4月に五農に転任されたそうで、今日お見えでないことがとても寂しい。昭和23年の学制改革のころ、十和田市出身の小山田七次郎氏が五農の校長をしていたが、帰郷して五農の自慢話ばかりするので、われわれ後輩が怒って三農に三農卒業生校長を迎えようではないか、ということで当時青森県農地部長をされていた山内明雄氏を校長に迎えることが出来、以来9年間校長を務めた。四木先生は会報に"三農に負けないよう頑張る"と書いているが、五農に負けないよう生徒諸君の奮起を促したい。」と述べ、乾杯の音頭をとりました。佐川先輩は、三農東京同窓会の役員会には必ず出席され、率先垂範、知力体力には役員連中もかなわない。青年の志を失わず意気軒昂、われわれの会になくてはならない大先輩です。
以上、大分時間が経過し、ご出席の皆様にはイライラさせたようでしたが、やっとおいしいお酒にたどり着き、歓談になりました。
最初は山本謙憧グループ5人による"津軽三味線演奏と民謡"、南部の人たちが多いということで「八戸小唄」、「とらじょ様」など馴染みの唄が会場に流れました。締めは「津軽じょんから節」の合奏で盛り上げました。
続いては十和田市出身歌手、近江綾さんによる歌謡ショウー。「河内節」で幕開け、『歌手になって5年目を迎えます。毎年、三農同窓会にお招きいただきありがとうございます。一歩一歩がんばって、郷土に何かを残せるような歌い手になりたいと思っています。』と挨拶、「ひばりの佐渡情話」、「ふなかたさん」、新曲コミック風の「松ノ木・繁盛小唄」で締めくくりました。ニューセンチュリーレコード会社に移籍し、ますます張り切っています。
恒例の三農農園で生産の長いも、メークイン、ニンニク、有精卵、三農の先生が造ったニンニク味噌、全部で300円。安くておいしいと評判を呼び、押すな押すなの大盛況。なお、ご協力いただいたお金は会の運営費に充てられます。
根岸勲さんの司会で、アシスタントに新卒者の樋口有紗さんと冨田扶美恵さん、司会者は「三農の賞品が一番いいのではないか」と自賛。賞品の一部にと、昨年と同様、五所川原農林高校同窓会の副会長、上山純子さんから"入浴剤"、沢谷広志さん(36年度畜産科で元三農生徒会長・神奈川県庁0B)からは丹精込めて作った"がぼす"をそれぞれご寄贈いただき、ビンゴゲームを一段と盛り上げてくれました。
三農同窓会の歌を全員で高々と歌い、五十嵐八代栄副会長は閉会の挨拶で「母校の隆盛と同窓生の発展、さらには他校との交流を図りながら、多くの人たちの奉仕で支えられ、このように盛会に終わることができ感謝いたします。来年も是非ご出席ください。」と話されました。なお、二次会は自由参加で、より打ち解けた雰囲気で行われました。
十和田市の鳩正宗KKの"鳩"ワンカップが全員に配られました。毎年このようにご寄贈いただき、当会としてこころから感謝いたします。
昼の暑さを引きずりながら市ヶ谷界隈は、夕闇が迫っていました。"さようなら、来年また会いましょう"の合言葉で家路につきました。